死のワルツ ナチス帝国最後の夏:戦争と日常のモンタージュ
あらすじ/作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。日記、証言、ニュース、噂話――ドイツ人ジャーナリストが無数の記録を編み上げ再生する、ナチス帝国終末期の狂気と現実(リアル)1944年夏。ナチス帝国の敗北は刻一刻と迫り、ユダヤ人虐殺はなお頂点へと向かっていた。本書は、その断末魔の歴史的転換点を、場所を変え、人を変え、視点を変えながら立体的に描き出すモンタージュ・ドキュメンタリーである。ドイツ国防軍兵士、アメリカ兵、従軍記者、市民たち――。無数の人びとの断片的な記録が積み重なり、一つの時代の空気を鮮烈によみがえらせる。現代を生きる私たちは、歴史の結末を知っている。しかし、それはあくまで回顧的な視点にすぎない。当時を生きる人びとに、未来は見えていなかった。本書が描くのは、歴史の教科書に記された「結果」ではなく、戦争の渦中を生きる人びとの「現在」である。明日がどうなるかもわからない現在にあって、彼らの日常は必ずしもドラマティックではない。ノルマンディー上陸作戦、イギリス軍による空爆、ヒトラー暗殺失敗、ワルシャワ蜂起――世界を揺るがすニュースが日々飛び交い、人間がモノのように大量に殺される一方で、人びとは時にそれを遠い出来事のように受け止めながら、恋をし、食べ、働き、眠り、淡々と暮らしを続けてゆく。その姿こそが、本書の圧倒的なリアリティである。描かれるのは英雄の物語でも、特定の悲劇の主人公の物語でもない。膨大な情報と不安のただなかで暮らし続けた無数の人びとの日常、そしてヨーロッパ全土を覆った「死のワルツ」の全貌だ。著者は『ベルリン新聞』で約20年にわたり主任編集員を務めたジャーナリスト。膨大な史料を自在に織り上げ、ときに歴史家以上の劇的な筆致で事件と時代を描き出す。戦争と虐殺の実相を知るための歴史ノンフィクションとしてはもちろん、ドイツ史やナチス帝国に関心をもつ一般読者にも強く訴えかける一冊である。【主要目次】第1章 1944年6月6日第2章 「親衛隊、彼らはすべてを心得ている。彼らはすでにすべてを試した」第3章 「ラームおじさん、今日もまたいわしがあるよ」第4章 「しかしわたしはコヴェントリーのことを考えます……」第5章 「わたしたちは悪魔の深鍋のなかに入れられてるんだわ」第6章 「だれもダンスをしない。喜びは死に絶えた。憎しみがくすぶっている」第7章 「野心のある良心をもたない将校たちのごく小さな徒党」第8章 「これらのキャベツの玉はみんな人間の灰から育っている」第9章 「ヒトラーはまず尻の下に爆弾が必要だ……」第10章 「きみは笑うことのできる星を手に入れるだろう」第11章 「ひとりのドイツ軍兵士も降伏しない」第12章 「底なしの大地は奈落のように深い海のように大きくうねる」第13章 灰の雨Ⅰ.とⅡ.